住所:東京都大田区大森北4-8-9 大森マンション1F
開業:2008年開業
『人並み以下にならず、人並み以上にならず。お客様と従業員の“幸せ”のため、今後も末永く継続していくこと。それが今の想いです。』そうオーナーの石井氏は語る。
20歳から6年間日本国内の飲食店で働いた後、やはり本場で学びたいとイタリアに3年間修業に出ることを決意。
『幸いにも複数のイタリアンの名店で修業をさせて頂くことが出来ましたが、その中でも一番長く修業した、200年の歴史ある星付きレストラン『アルガンベロ』のオーナーシェフに認められ、お店の名前を引き継がせて頂いて、今のお店を開業することが出来ました。ただ修業を始めた当初は、言葉もわからず、怒られても何が理由で怒られているのか全く分からない状態で苦労しました。』そう石井氏は当時を振り返る。
『イタリアでの修業は、今の自分自身をつくってくれた貴重な経験でした。料理以外にも様々な国の人達と一緒に働くことで人間としての幅が広がり、イタリア料理だけではない世界の料理にも興味を持つことが出来ました。』『本場での修業を積んだオーナーシェフが必ず成功するとは言えないが、自分の武器には必ずなる。そして自分自身をより高めることが出来る。そういった意味では若い人には本場での修業をすすめています。』そう石井氏は語る。
日本に帰国し3年ほどレストランで料理長として勤務後、34歳で独立開業を実現した。
開業時の物件探しには、100件以上の物件を検討し、半年以上を費やしたという。
『当初居ぬきの物件も考えていましたが、やはり理想の店づくりを行うためにスケルトン物件で一からつくろうと考え直しました。今の店舗の物件は1年以上空いている状態の店舗でしたが、大家さんが融資後まで契約を待ってくれる唯一の物件だったので、決めました。』
『駅から離れ周辺に飲食店もない場所で、夜になると周りが暗くなってしまう。決して好立地とは言えない場所で、気を付けたのは、入店する時に安心感を持っていただくために、照明の明るさを通常より30%多く明るくしたのと、間口の部分をガラス張りにし、通りから店内が見える店づくりです。』そう石井氏は当時を振り返る。
またお店のコンセプトは、地域のお客様に気軽に利用いただける地域密着の店を基本に、1000円以上のメニューは置かず、グランドメニューも置かないスタイルを貫く。安心価格で気軽に通える飽きさせないお店を目指し、メニューを考えたとのこと。肉料理の一部は原価70%を超えるメニューもあるとのことだ。
お店のコンセプトは地域のお客様のニーズにマッチし、開業から10年間ほぼ98%の満席率をキープする繁盛店となった。
『広告販促は一切やっていません。いまのコンセプトや提供する商品質を保ち、そして地域の常連様の顔や名前は覚える。』『他店と同じことを同じようにやっていても、同じような結果になるだけ。』今後は店舗に継続して立ち続けながら、若いスタッフの成長を支えていきたいとのこと。
『オーナーシェフとなった今、経営者としての責任や悩みを感じることも多くある、ただ後悔を感じたことは一度もない。』そう石井氏は語る。
経営は後からついてくる、お客様と従業員の“幸せ”のために今後もお店に立ち続けたいと考えているとのことだ。