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飲食店での調理経験が無くても飲食店の開業はできます。但し、ご自身に調理経験が有るか無いかで、お店の業種業態の設定の考え方や、開業までの準備・段取りに違いが出てくることを理解しておく必要があります。
調理経験が有る場合
業態に関してはご自身の得意分野が良いでしょう。今までの経験を活かして、さらにお客様に満足して頂けるようにもっと磨きをかけた商品に仕上げて提供しましょう。調理経験が有る方の場合、メニュー作りにこそ自信がある反面、一度も経営に携わったことが無ければ経営手法には誰しも不安が有るものです。お店を運営するには以下のことが最低限できなければ“経営”していると言えません。
・接客スタッフの育成
・接客サービスマニュアルの作成
・資金繰りを円滑にするための日報作成や、損益計算書などの帳票類の作成
・商品分析を行い、新商品の導入プロセスを知っていること
・予算を意識したアルバイトの人件費コントロール
・商品棚卸の実施と、原材料費・原価率のコントロール
・スタッフの雇用方法(募集・面接)
・お客様を集客するための販売促進計画の立案と実施
・顧客管理による自店での顧客抱え込みの施策
以上のように調理の分野以外で十分なマネジメント力を付ける必要があります。
コロンブスのたまごでは、これから飲食店“経営者”を目指す方のために、飲食店経営の実学を勉強するための講座を開講し、その習得を推奨しております。講座で習得したことは日々の経営をしていく中で活き続けますので、自分自身への教育投資を真剣に考えてください。
調理経験が無い場合
調理経験が無い場合は、前述の絶対に不可欠な経営スキルに加えて、調理技術を補う必要があります。いつか飲食店を開業しようと考えている方は、飲食店の実店舗へ修業に入って調理技術を習得するという手もあります。但し、お客様に自信を持って提供できるレベルの調理技術を身につけるのはそんなに簡単なことではありません。この場合は、ある程度時間がかかることを覚悟しなければなりません!
すぐにでも飲食店開業に向けて行動したい方の場合の手法
一方で、すぐにでも飲食店開業に向けて行動したい方の場合は次の2つの手法が考えられます。
1つ目は調理人を雇う方法
一般に、募集広告への求人掲載や、知人の紹介等で人材を探しますが、この方法にはいくつかデメリットの面があります。
デメリット①人件費がかかる
個人店の場合は資金面での余裕が無いことが多く、初めて出店する際はオーナー自らも店舗に入るのが一般的です。調理人を雇うと正社員一人分の人件費が発生するため、それを賄えるだけの売上計画が必要になります。
デメリット②調理人の管理が難しい
調理人の中には職人気質の人も多く見られ、経営的な視点が無いために調理人自身が提供したい料理の考えだけで進めて行くことが多いものです。オーナー自身、飲食業が初めての場合、こうした自身よりも調理技術があって経験のある調理人を上手くコントロールして、お店をオーナーの思うように運営するのはなかなか難しいものです。もちろん、優秀な調理人もいますので、良い人が採用できれば強力な戦力になるのは間違いありませんが、それは出会いの巡り合わせと言わざるを得ません。
2つ目の方法は「コックレス」と言われる手法
これは特殊な調理技術を必要としない、パート・アルバイトでも調理できるようなメニューを開発して、それを提供するというものです。調理マニュアルのレシピ表(基準表)を作成して材料の分量や調理手順、注意点などを細かく記載して、それに基づいた調理を行います。レシピ表(基準表)を作成するには調理経験が無い方には難しいですが、一旦、作ってしまえば、あとは専門の調理人が居なくてもお店を運営することができます。つまり、こうした調理マニュアルの作成はいつ誰が作っても同じクオリティーの商品を提供できることであり、そのことがお客様の満足度維持にも繋がります。
調理マニュアルは前者の調理人を雇う場合にも、当然ながら作成しなければなりません。調理マニュアルを作成することで、雇用した調理人が万が一、居なくなってしまったとしても、料理が提供できないという状況を防ぐことができます。
料理は飲食ビジネスにとっての根幹と言えます。料理は初回のお客様にとっての来店動機づけであり、売上・利益に直結するため非常に重要です!コロンブスのたまごでは、調理専門のコンサルタントがおりますので、「コックレス」で誰でも作れるメニューのレシピ化と、調理マニュアルに基づいた調理の技術指導を提供することができます。売れて儲かるメニューと商品構成の作り方のノウハウがあります!
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