リニューアルを念頭においた計画立案が将来の展望を明るくする!
気づいてからでは遅い!飲食店には「旬」のサイクルがある
なぜ、将来的な計画がお店(事業)を始める前に必要なのでしょうか? 繰り返しにはなりますが、
飲食店には「旬」があるからなのです。 飲食店の「旬」とは、開店期(=オープン景気)、発展途上期、繁盛期、安定期、衰退期のサイクルを指します。
まず始めに「開業期」とはオープン時のオープン景気を意味します。 オープンのときはどんなお店でも大抵の場合、繁盛します。お客様は新しい物好きだから、新しいお店ができるととりあえず行ってみようと言うことになるからです。
しかし、この「開業期」も長くは続かず、2~3ヶ月で収まってきます。この期間もだいたい一般的。この「開業期」の成功へのポイントは、せっかく大勢のお客様が来店しているのだから、次に来店してもらうための動機付けとなる 販売促進(企画・イベントのこと)を行ない、固定客化することが大切ということです。
次にくる「発展途上期」とは、「固定客化の時期」を指します。これは、より多くの固定客を獲得し、繁盛店に発展してゆく「仕掛け」の次期のことです。
そして、固定客化が進むに連れていよいよ「繁盛期」が訪れます。繁盛期は常に満席状態が続くことを言います。次いで、やってくるのが「安定期」。安定期とは、売り上げの伸びが横ばいになってくる時期です。
最後に「衰退期」がやってきます。この「衰退期」を理解されていない、あるいは「繁盛しているお店に衰退は無い!」と思っていらっしゃる方も多いのですが、衰退は必ずお店にやってきます。これは店舗の周辺に競合店ができたり、店舗自身が古くなってきたり、業種、業態がその時代にマッチしなくなるために起こります。
リニューアルを念頭に置いた計画を
また、リニューアル計画には、「業種、業態のリニューアルも考えておくこと」を忘れてはいけません。業種とはレストラン、ファーストフード、弁当、ファミリーレストラン、居酒屋、喫茶店などの飲食店の大分類をいい、業態とは洋食、和食、中華、無国籍などに中分類されるものです。
この場合、”飲食店における「旬」の期間の長短は洋食系が短く、和食系が長い”ということを考慮して、計画を立てましょう。ココがポイントです。立地や地域によっても異なりますが、洋食系なら5年~7年、和食系では7年~10年ぐらいが「旬」の1サイクルの目安になります。
手遅れになる前に早めの再建が必要
オープンして13年目の「そば、うどん専門店」があり、我々に相談があった時には、売上げがナント繁盛期の約50%近くも落ち込んでいました。 経営者は青い顔をして飛び込んできて、「このままでは赤字になってしまうかが、どうしたら良いか。」というイキナリの相談でした。
当然13年目ですから、いくらきれいに掃除やメンテナンスを行なっても、設備が古くなってゆくのは止められません。さらに、内装のテコ入れもほとんど行なっていない状況だったので、お客様から見たら「とても古くて汚い店」という印象があったのです。お客様はお店の前で帰ってしまっていました。
オーナーになぜここまでお店を放置したのか?と確認したところ、「借金の返済が10年目で終わり、これから儲かる時だと思ってたので何も手を打たなかった。」という返事でした。こういう回答も良くあるものです。
幸運なことにこのお店は、売上げが繁盛期の50%になって利益も薄くなってきてはいるものの、利益がまだ出ていたことと、企業努力によって経費を削減していたこともあり、融資を受けることができ、リニューアルを行なうことができました。そのおかげで、今は月商1,000万円を超える繁盛店へ復活を遂げました。
しかしながら、多くの飲食店のオーナーは、「借金の返済より儲けが大事!」と考える方が非常に多いのが実情です。ですからリニューアルなど将来的な計画がなく、売り上げが下降線をたどりだして初めて気がつくものなのです。
先ほどの例は幸運なケースでしたが、実際には赤字に転落し、利益も出ないお店もあります。しかもこのようなお店の場合は、赤字に転落して初めて「どうしよう」と考えるので、経営は悪くなってゆく一方。そして、金融機関からの借入も困難となり、閉店に追い込まれることも多々あるものです。
皆さんも飲食店を立ち上げられる際には、きちんと「旬」を意識した計画性のある経営を心がけてください。そして自信を持って実行すること!これがビジネスの成功の秘訣です。