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立地の可能性は、情報と調査で裏付けをとれ その3

立地の可能性は、情報と調査で裏付けをとれ その2の続きです。

7)転入転出人口統計

転入転出人口統計は月別で表記されていて、転入の多い時期を調べることがポイントとなります。転出時期の多いものは、その商圏から人が県外や商圏外に移転することを意味するため、転出時期に新規顧客の開拓のため販売促進(=キャンペーン)を実施しても効果がありません。

逆に転入時期の多い月は新しい人たちが商圏に入って来ていることを意味します。したがって、この転入月の翌月に販売促進を実施すると新しいお客様を獲得できる確立がかなり高くなります。このように商圏内の人々は常に変化していることを再確認し、この調査を年に1度は実施しましょう。

ここでわかっていただきたいのは、オープンキャンペーンは実施したが、その後、販売促進を実施しないお店が非常に多いことです。つまり、人々は変化しているのにお店がその変化について行けずにいた結果が、徐々に客数を減らし売上がダウンしていくのです。

販売促進を実施するということは、常に新しい顧客を求め、なおかつ、居住している人に対して、お店の認知度を上げ、しいては再来店を促進するポイントとなることを肝に命じておくことが大切なのです。

8)1世帯当りの1ヶ月家計調査

これは、1世帯当りの家計簿を調べているもので、この中に食事あるいは外食費、交際費という項目があります。この項目は1世帯あたりの食事に使う費用を指しています。ということは、この数値を出店する地域の県平均と比較して、高いか低いか同等かを知ることで、販売する価格帯や業態を決定する一つの目安となります。

9)消費者物価指数

良く聞かれる言葉ですが、この消費者物価指数というのは家計調査を品目別消費支出で割り出した数値のことを言います。この品目の食料合計を全国の平均値と比較して、高い場合は食費にかける金額が高く、逆に低い場合は食費にかける金額が低いことがわかります。

従って飲食店を利用するウエイトが家庭の家計簿でどのくらいかがわかり、飲食店の利用頻度も想定できます。また、過去の数値を比較した場合、伸縮がわかるので飲食への期待感が高いか低いかも想定できます。

10)1世帯当りのエンゲル係数

エンゲル係数とは1世帯の生計費の中に占める飲食費の割合を示す数値を表したものです。都道府県別や市区町村別で統計がとられています。他の地域と比較して、出店する地域がどの位置にいるのかを把握します。

平成21年度の調査では、京都が一番エンゲル係数が高く(=外食頻度も高く、食べ物へのこだわりや口がこえている人が多いと予想できる)、次いで神戸市、大阪市の順となっています。出店場所が決定したら調べてみることをお薦めします。

11)駅の乗降客数とその推移

駅に近い立地であれば、乗降客数を調べておくと良いでしょう。特に乗降客数については、乗る人よりも降りる人の数と定期券客がポイントです。乗る客は出店する町から出て他の町へ行く人ですからマーケットにはなりませんが、降りる客と定期券客は他の町から帰る人やその町に訪れる客の数ですからマーケットとなるのです。

特に定期券客は一般の降りる客と違い、安定的にその駅を利用しているマーケットであるから、定期券客もしっかりと調べておく必要があります。そうすると一日どのくらいの人が駅を利用しているかがつかめ、さらに、過去との推移を見て増減を確認することで町の将来性も見えてきます。当然、増加している町は将来的にも安心できる材料になります。

国勢調査でこのデータを調べていないところについては、直接、駅の改札で確認してみると良いでしょう。ここまでが、国勢調査でわかる住宅地の調査データです。

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