住所:〒104-0045 東京都中央区築地4-14-15 築四ビル 1F
開業:2008年10月
國場氏が築地に店を構えて10年余り。当時は父親が立ち上げた店だった。「あの頃は東京界隈ではどこにもウニを使った料理や丼ぶりなんて無かった。」ウニ自体産地でもない限りそんなにたらふく食べれるようなものじゃなかったんですよね。
そんなウニをたっぷり載せた元祖こぼれうに丼を名物とした築地鮨國ではあったが、やはり当初は集客に苦しんだという。
「築地とはいえ、やはりお客様はなじみのある大手の寿司屋さんや鮮魚屋さんに入ってしまう。個人ではそんなに広告や宣伝にお金を使うことも出来ず、最初の頃は結構大変でした。」もともと会社員だった國場氏は当初は父と2人で父に教わりながらお店を切り盛りしていた。
土地柄周りはライバルだらけ、どこもそれなりにはやはり賑わいがある。ある日パラパラと埋まっただけの自店の店内を見て、お客様がどこか不振がっているのを感じた。ウチは鮮度も悪くないし、技術でも見劣りしていることは無い。そう自信を持っていた國場氏であったが、お客様からこう言われた。
「築地で一番美味しいお店はどこなの?」
とてもショックだったと國場氏。1番とまでは言わないが、自分達が否定されたと感じとても悔しかったという。
その上オープンしてわずか2年後の少しづつお客様も付き始めていたある日、お店を先頭に立って切り盛りしてきた國場氏の父が脳梗塞で倒れ、半身不随になってしまう。一命を取りとめたことはせめてもの救いではあったが、もうお店に立つことは出来なかった。
國場様はそれでも、妹とともに何名かのアルバイトを雇いお店を開ける決断をしたそうだ。鮨はほとんど父がやっていたこともあり、2年足らずの修業経験では満足いくことも出来なかったが、それでも築地の仲買いさんと少しづつ信頼を積み上げていった。
「当時はまだそこまで外国の方も多くなかった、日本全国から築地に来られる日本人客が8割で、外国の方は2割ぐらい。でも今は違います。」
國場氏のお店では今は実に来店される方の8割もが外国の方だという。
「特に中国の方が多いですね」と國場氏。
「よく中国の方はマナーが悪いなんて言われますけど、中国湾岸部の方はとても海鮮が好き。一年に3~4回見える方、最初は1~2人できて、次は家族を連れて来られる方も大勢います。東京は変わるんだ。ということだと思います。海外の方を受け入れる。それが今後の日本の形だと思いますね。」と教えて頂いた。
「場内(市場)には毎日行っています。仲買いさんなどと信頼関係をつくることで、ウチはこれだけこだわったウニが出せている。ウニだけじゃない。他の海産物も。同じ品種、同じ産地であっても同じ味わいということは無いですからね。」
お店をやっているとさっきまで暇だったのに、急に満席になったりすることがある。最初は慣れないだろうし、オペレーション構築も難しい。最初の1~2年は大変だったが、3年目あたりから徐々に1度来てくれた人が、こないだ美味しかったからまた来たよ。なんて言って2度3度来てくれるようになりました。
「昔からの商売人としてのことわざに「三方良し」という言葉がありますが、そのような精神で取り組んでいけたらいいですね。」という言葉を最後に頂きました。